・積み重ねは大事
オマケ程度の番外編かと思ってましたが予想以上の内容。
これまでの積み重ねを活かしつつ橘のトラウマの真相が明かされました。
たった1話という尺の中で満足できるストーリーを展開してくれたように思います。
特に印象深かったのは裡沙が各ヒロインへの妨害工作を行うシーン。
これまでアマガミを見てきてヒロイン達の特徴は十分把握してますから
彼女達の様々な反応が面白い面白い。
それと同時に各ルートのハイライトが頭の中にパッと浮かんできます。
こんな各ヒロインへのルートフラグをへし折られるような形で
アマガミという作品をざっと振り返ることになるとは思いませんでした。
こういう方法は尺的にも余裕ができるし最終回にはいいのかもしれない。
思い出す切っ掛けだけ作って後は各人の記憶にまかせる。
面白い方法だと思いました。

・上崎裡沙
絢辻さんより余程怖い…そう思いました。
彼女の場合、自分の行動が100％橘の為になると思ってるところが怖い。
可愛さでカモフラージュされてるけど思い込みの激しさはストーカー並。
”物は言いよう”という言葉がピッタリだな～と思いました。
トラウマの真相を黙っていたのも「橘の真実を知ってるのは私だけ」という
優越感があったからというのが本音のような気がします。
「トラウマで苦しんでいる橘君は私の手の中」という錯覚。
妨害工作シーンの拡大解釈っぷりをみていると、蒔原の件も会話を脳内変換して事実を捻じ曲げてるんじゃないかと思えてきます。
橘も橘で裡沙の言い分を信じきってるところが…。
まああれだけ間近で激しい愛情を向けられたら信じてしまうのが男か（笑）。
上崎裡沙というキャラは見る人によって印象が真っ二つに分かれそうです。
私なんかは終盤の涙を流す裡沙を見ても疑惑の念を捨てきれなかった…。
だってストーカー気質の人の言葉って素直に信じられないですから。
同じ”密かに思いを寄せるタイプ”でも橘の気持ちをを第一に尊重する梨穂子のほうが個人的には好きですね。

・アマガミ総評
2クールの間ずっと安定して楽しめたという印象です。
6人もヒロインがいるので途中で嫌いなキャラが出たり展開に飽きるのではないかと思ってましたが、今作に関してはそんなことはありませんでした。
フリーダム森島、甘え下手な薫、従順な紗江、
大胆な七咲、心地良さの梨穂子、繊細な絢辻。
いずれもキャラ立ちまくりでそれぞれ独自の魅力を持ったヒロインばかりでした。
各編で見せる視点や演出が変わっていたのが良かったのかなと思います。
特に苦手キャラ候補No.1且つ中だるみの恐れがあった3人目・中多紗江編で
ジョージ節という変化球が登場したのが印象深かったです。
少し残念だと思ったのは各4話という尺の短さ。
描写不足だったり折角張った伏線の回収が出来ずにモヤモヤ感が残ったまま終わるということがありました。
他ヒロインの印象付けも毎回入れてましたから意外に尺が厳しかったのかな？


全ヒロインを見終わってのランク付けをすると

薫・梨穂子≧絢辻＞森島・紗江・七咲

こんな感じ。
梨穂子は内容自体は乏しかったですけど脳内補正がやたらと働きました。
”過去の思い出”というのはなんて偉大なんでしょう（笑）。
ですので実質No.1は薫になるのかな～。
強さと弱さのせめぎ合いがとても印象的でした。
存在感はラブリー森島が終始圧倒的。
1シーン出てくるだけでも印象に残るのはすごいの一言です。

さて、アニメが終わったので次はゲーム版かな？
変態紳士っぷりをもう少し見てみたい気もしますからね（笑）。